水疱瘡の予防接種は、妊婦は受けてはいけないことになっています。
水疱瘡や予防接種が妊婦に及ぼす影響はどのようなものがあるのでしょうか。
それは、妊娠中に感染することにより、肺炎や肝炎を合併し重症化する傾向があるということです。
さらに重要なことは、胎盤を通じて胎児に感染することにより、時期によっては「先天性水痘症候群」、「乳児帯状疱疹」、「周産期水痘」などを引き起こすおそれがあります。
【先天性水痘症候群】
妊娠20週未満の時期に、妊婦が水疱瘡になると、1~2%の胎児に低出生体重、皮膚のひきつれ、四肢低形成、小頭、脳萎縮、白内障、自律神経症状など、特徴的な異常が出現するとのことです。(日本での報告例はないらしい)
【乳児期帯状疱疹】
妊娠20週~分娩の21日前までの時期に水疱瘡になると、出生児の9%が乳幼児期に、水痘にかかったことがないのに帯状疱疹が発症するとのこと。
これは、胎盤を介して感染し、胎児の神経節に潜んでいたウイルスが再活性化したものらしい。
【周産期水痘】
分娩前後に妊婦が水疱瘡になると、胎盤を介して胎児に感染し、30~50%くらいの新生児に水痘が発症。新生児水痘がどの程度で終わるかは、感染した母体の抗体がどれだけ胎児に移行したかどうかで決まるとのこと。
いづれにしろ、水疱瘡の予防接種は、妊娠前にすませておくべきで(水疱瘡の経験がある場合は不要)、予防接種後は1ヶ月間は妊娠しないように注意する必要があります。
なお、大人になってからの水ぼうそうの初期症状は、だるくなったり、ニキビができるなど軽い症状が多いですが、帯状疱疹を発症する場合もあります。
周りに影響を与える場合もあるので、予防接種をしておく方が良いでしょう。